CAPDとは「持続携行式腹膜透析」にあたる英文を頭文字で略したものです。
- Continuous 連続的に
- Ambulatory 携帯可能な
- Peritoneal 腹膜を使った
- Dialysis 透析
透析患者さんが血液透析に用いているセロファン膜の代わりに自分自身の腹膜を透析膜として使い、患者さん自身が透析液の出し入れをしながら血液をきれいに(浄化)する方法です。わが国では1980年からCAPD療法が始まりました。
CAPDの実際
お腹の壁を通してカテーテルというチューブをお腹の中(腹腔)に入れます。カテーテルの先端は腹腔の中で最も低いところに留置し、外側は皮下トンネルを作って皮膚より直接出ます。
プラスチックバッグに入った透析液を1500cc~2000cc無菌的に腹腔に注入し、5-8時間ごとに廃液バッグに出し、また新しい透析液にかえます。これを1日3-4回繰り返します。
カテーテルは専用のチップで栓をして服の下に隠れます。又、そのままで入浴もしてもらっています。
CAPDの長所
- 自宅で透析液を交換できるので透析施設に通院する必要がなく、時間と場所の制限が少なく社会復帰が向上する。
- 速度がゆっくりで透析が緩徐に行われるので不均衡症候群が起こりにくい。
- 水分やカリウムを取り除く力が大きい。
- 分子がやや多き分子も体外に早く出すことができる。
- シャントの手術が必要でなく、シャントにまつわる合併症がない。
CAPDの短所
- 腹膜炎を合併する危険がある。
- たんぱく質が廃液され低栄養となる。
- 腹腔内に癒着があると透析が制限される。
- 水分などの管理が患者さん自信で行い、自己管理がさらに重要である。
以上のような長所、欠点をふまえ火曜日の午後外来診療を行っており、現在約20名の患者さんが本院に通院しています。
- カテーテルに透析バッグのチューブをつなぎ、腹腔に入っている老廃物を含む液を排液します(約10~20分)。
- 腹腔内の液が全部出たら、また新しい透析液を腹腔内に入れます。チューブをはずします。
- 貯留している間自由に活動することができます。