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下肢静脈瘤

下肢静脈瘤とは、下肢の静脈の弁が壊れて血液が逆流することでおきる疾患で、足の静脈がコブのようにふくらんでしまいます。足の血液循環が悪くなって血がたまることで様々な症状があらわれてきます。 足のむくみや痛み、ひどい場合は色素沈着や皮膚炎、皮膚の潰瘍などの症状が出てきます。 皮膚炎や皮膚潰瘍が起こるほどの人は手術が必須となってきます。 静脈は心臓から出た血液が心臓に戻るための血管です。人は立って生活することが多いため、下肢の血液を重力に逆らって心臓に戻す必要があります。そのため静脈には逆流を防ぐために弁がたくさんありますが、この弁不全が静脈瘤の原因です。 弁不全がみられると、本来一方通行である静脈に逆からの血液が流れてくるため静脈瘤が起こってきます。重力が悪化の一因であるため自然に改善することは少なく、静脈瘤自体は時間とともに緩徐に悪化していきます。

1. 血管内レーザー手術

長浜赤十字病院では2015年に下肢静脈瘤に対するレーザー治療を開始しました。 この手術は2011年に保険適応が認められて治療法で、従来のストリッピング手術などに比べて低侵襲な手術として全国に広まってきています。 この手術を行う施設は学会からの認定が必要であり、滋賀県ではまだまだ少ないのが現状です。 湖東湖北地域ではこのレーザーは当院が初めての導入で、現在も当院のみで行われています。(2016年4月現在)手術は静脈麻酔と局所麻酔により行っており、1泊2日の入院が必要です。 手術当日から歩行ができ、翌日には退院が可能です。 大伏在静脈という太い静脈をレーザーで焼灼し、下腿の瘤切除も同時に行います。

(手術風景)

(ELVeSレーザー1470)

2. ストリッピング手術

下肢静脈瘤の根治的な治療法として古くから行われている手術です。 そけい部や膝部に小切開を行い、弁不全を起こしている静脈を引き抜いてしまいます。 再発率が低い治療方法ですが、全身麻酔や下半身麻酔で行うため入院が必要です。 当院では3泊4日で手術を行っています。

3. 硬化療法

静脈瘤に硬化剤を注射して,静脈瘤をかためてしまい、塞ぐ方法です。 麻酔も不要で、入院もいりません。 太いものや、大伏在静脈の弁不全がある症例では効果は不確実となります。 簡便ですが、色素沈着やしこりが半年程度残ることがあります。

4. 高位結紮術

下肢静脈瘤の多くは、そけい部のところの静脈弁不全のため、血液が逆流することによって生じます。高位結紮術は、足の付け根の小切開から静脈をしばって切離します。 血液の逆流を止めることが可能のように思われますが、実際はこれのみでは数年後に再発することが多く、再発後の対応も難しいです。

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