腎・透析センターの歩みと現状

当院腎・透析センターは昭和46年10月に開設されました。滋賀県内では2番目の開設でした。開設当時の人工腎臓は大きなドラム型つまりコイル型のダイアライザーでした。装置がセットされると人の動きがとれなくなるほどの大がかりな装置で患者さんのベッドが片隅に押しやられるほどでした。透析液も手作りで処方され、適切な浸透圧を作り上げるのに、原液と希釈液の比率を幾度も調節し、時間を要する作業でした。

人工透析の効果が見られるにつれて適応患者さんが増加し、それに併せて設備の拡充がなされ、透析ベッドが増え収容しきれなくなり都度に移転を余儀なくされました。昭和46年、47年、48年、49年は毎年の移転、昭和54年、平成13年にも移転をし、平成24年の病院2号館新築の際に現在ある腎・透析センターに落ち着きました。

昭和55年より、透析患者さんの完全社会復帰をサポートするために夜間透析が実施されるようになりました。その後も患者数の増加に伴い、平成7年4月より月水金曜日は3交代体制で稼働するようになりました。医師不足や社会背景要因などから急性期病院における夜間透析運営の維持が困難となり平成18年6月に夜間透析を閉鎖いたしました。

昭和56年には当院で生体腎移植が行われました。滋賀県下では1例目の腎移植であり、新聞でも大きく報道されました。当時22歳の男性が56歳の母親から生体腎の提供を受けました。移植プロジェクトチームを結成し、「なんとしても成功させたい」というチームの念願もあって初めての移植を成功することができました。この1例をふまえ相次いで4例の生体腎移植が行われました。透析合併症に悩む患者さんが腎移植を受け、数日以内に関節痛や貧血が改善され、腎移植の威力をまざまざと感じたことでした。

平成1年に腹膜透析(CAPD)を導入しました。これまでの30数年間で多くの患者さんに導入しています。CAPDは社会復帰を目指す方や、高齢者で通院困難なかたの在宅治療として最適な治療と考えています。

平成29年11月から透析装置の機能を活用し、透析の質向上を目的とした間歇補充型HDF(I-HDF)を導入しています。

令和3年4月現在の患者総数は80名で内訳は血液透析60名(血液透析36名・I-HDF24名)、腹膜透析20名です。ここ数年においては患者数の推移に大きな変動はありません。